日本の英語教育-帰国子女が受ける日本の英語教育
こちらの続編です。
このシリーズは私の体験を基に書いています。カナダから帰国して既に30年以上経ってますのでかなり昔の話です。当時は帰国子女なんてほとんどいませんでした。どちらかと言うと珍しい存在だったと思います。
帰国子女なんて当たり前となった今では学校側も変わったのでしょうか?変わっている学校は確実にあると思いますが、公立の中学校とか高校はどうでしょうか。現在の教育にはあまり詳しくないので、どうなっているかわかりません。
僕にとって日本の英語教育は、はっきり言って苦痛、時間の無駄でした。
今回は、この項をお読みの読者の皆様に僕が体験したことを追体験していただきます。
あなたは「架空の言語」を話す「架空の国」出身で、小学校に入る少し前に父親の仕事の関係で日本に行くことになりました。
日本では、最初の数ヶ月は日本語や習慣が分からず戸惑いますが、日本の公立小学校に入り、友達もでき、半年ほどすると日本語は分かるようになりました。
日本に来て5年が経ちました。日本語も日本人同級生とまったく同じレベルまでマスターしました。会話はもちろん、小学校レベルの読み書きは完璧。
「架空の国」に帰国することになりました。家庭内では「架空の言語」を話していたため、母国語を完全に忘れたわけではないが、中身は完全に日本人。日本語の方がはるかに得意。
架空の国に帰国後、架空の国に慣れようと必死で、小学校の2年間は瞬く間に過ぎてしまう。
近所の公立中学校に入ることになった。架空の国では日本語は必須科目。日本語なら任せろ!日本語の先生だったら、日本語でいろいろ話しができるかも!という気分で中学に入る。もちろんこんな幻想は、打ち破られる。
最初の英語の授業の日が来た。教科書みたら、10分で1年分全部読んでしまった。まぁいいか。授業が始まったと思ったら「あ・い・う・え・お」の練習から。これの読み書きが延々続く。マジ勘弁してほしい。
こんどは教科書の読み方練習。日本語の先生の発音がひどく「架空の国」訛りで、日本語と架空の言語どちらを話しているのか分からなくなる。
「これはペンです」
「これはペンですか」
「はいそうです。これはペンです」
こんな絶対あり得ないようなフレーズを延々練習させられる。今度は本物の日本人が話しているカセットテープで発音練習だ。でもこのカセットテープ、章によって東京弁と関西弁が交互になっている(僕が行っていた中学校では、アメリカ北部訛りとイギリス訛りが交互だった)。
頭がおかしくなりそう。架空の国訛り、東京弁、関西弁の一体どれ覚えろって言うんだ?先生に聞いてみたら、どうやら東京弁と関西弁の差が分かっていないようだった。とにかく「全部日本語だから」という答え。
逃げ出したくなりましたか?ダメです。義務教育ですから。(僕はこのころから英語の授業はまったく聞かなくなりました。中学1年のかなり早い段階でした。)
しばらく経つと、あることに気が付く。何も勉強しなくてもテストでまぁまぁ良い点は取れるが、満点は取れない。同級生で日本語なんてぜんぜん話せないのに満点取るやつがいる。
そう、あなたは日本語の発音記号とか文法が分かっていないし、意識せずに正しい発音ができるから、日本語の抑揚(英語で言えばアクセント)をテストで間違えてしまうのだ。翻訳問題で、教科書に出てこない単語や、自然な言葉になるよう意訳してもバツ。
文法問題がまったく理解できない。「同じ意味で言い換えなさい」って、文章変えたら同じ意味になりっこないじゃん!「当てはまる単語を選びなさい」って、どれ選んでもおかしいじゃん!
高校に進むと、文法がもっとすごいことになってきます。とても日本語とは思えない文章や、古文か時代劇で出てくるような文章が出てきます。
逃げ出したいですか。大丈夫ですよ。高校は中退できます。でも、大学には受からないかもしれません。
大学に行っても、基本的に同じ。日本語講師で日本語できる人はいません。意味不明な文法と、和訳と英訳だけ。でも、こんな日本語授業を何とかやり過ごして専門課程にあがれば、日本語ができる教授に出会えるかもしれません。
大学も逃げ出すのは自由です。日本語は必修科目だから、日本語の単位をとらなければ卒業できません。
–つづき–
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